雷電3号物語・後編

翌日の朝
グランシルの宿屋でルーシカは目覚めた
「ウェインちゃんっ!!」
辺りを見回したがウェインの姿は見当たらなかった
「嘘・・・せっかく・・・逢えたのにっ・・・」
ルーシカは肩を落とした
「また・・・やり直しなんでしかね・・・」
ベッドから降りると鏡を覗き込んだ
「酷い顔でしねっ・・・最近泣き虫だったでしからね・・・シャワーでも浴びるでしか」
浴場に向かおうと扉を開けると扉の横にウェインが座っていた
「あっ・・・あっ・・・」
「おはよう、ルーシカ」
「ウェインちゃんっ!!」
ルーシカはウェインに抱きついた
「お・・・おいおい」
「逢いたかったでしよぅ!」
「わかった・・・わかったから離してくれ・・・人がみてるじゃないか・・・」
「嫌でし♪離さないでし♪」
そう言うとルーシカはニッコリ笑ってゴロゴロと喉をならした
「・・・しょうがないなぁ、とりあえず立とうよ」
「うんでしっ♪」
立ち上がってもルーシカはウェインを離す気配は無い
「これじゃ朝ご飯食べられないだろ?」
「いいでし、要らないでし」
「それじゃせっかく釣ってきた意味が無いじゃないか」
「釣ってきた?・・・・あっ!」
テーブルの傍らには水槽に入った魚が数匹泳いでいた
「ウェインちゃん・・・これ・・・あちしの為に?」
「大変だったんだぞっ、ここじゃ魚置いてないって言うから朝一番に海に行って来たんだから」
「うぅ・・・ごめんでし・・・」
「いいさ、それより朝ご飯食べよう」
「うんでしっ♪」
途中ルーシカが魚を捕まえ損ねたりして決して静かな朝食ではなかったがほのぼのと朝食を終えた
「ごちそうさまでし♪」
「ごちそうさまっ、これからどうしよっか?」
「ウェインちゃんお仕事は無いんでしか?」
「あぁ、一つ片付いたからね、少し休みなんだ。・・・散歩でもしようか?」
その言葉にルーシカは鞭打ちになりそうなくらい首を振った
「行くでしっ!行くでしっ!」
「はははっそんなに首振ったらいためちゃうぞ、じゃいこうか」
グランシルの街は昼にもなると溢れ出した人で行列が出来そうなくらいにぎわっていた
そんな中ウェインと一緒に歩いているルーシカの鼓動は高鳴りっぱなしだった
逢った時とは違い口数も少なくなっていた
(あうぅ・・・ドキドキがと、とまらないでしよぅ・・・なんなんでしかぁ?」
まともにウェインの顔も見れなくなっていた
うつむきながら歩いているとドンと人にぶつかってしまった
「あっ!ごめんなさいでしっ!」
「大丈夫か?ルーシカ。気をつけないと迷子になっちゃうぞっ。ホラ」
そう言ってウェインはルーシカの手を握った
「あっ!・・・・」
手が汗ばむのが自分にもわかった
(あうっ・・・手が・・・熱いでし・・・恥ずかしいでしっ!ウェインちゃん気づいてるんでしか?)
チラッとウェインの顔を覗き込んでみたがウェインはのほほんとした表情で

売り物やら、人に目を行き来させていた
途中、ウェインが何度か声をかけてくれたが首を横に振るだけでまともな
返答は出来なかった
一言も言葉を交わせず、顔もみれないまま既に夕方と言うにふさわしい位
太陽はオレンジ色に染まっていた
「ああ、いっぱい歩いたなぁ。ルーシカは欲しいものとか無かったのか?」
ルーシカはコクンと頷いた
「少し休もうか?」
またルーシカは頷く事しか出来なかった
土手に二人並んで腰掛けた
「なぁ、なんで俺を探してたんだ?」
「恩返しがしたかったでし・・・。あと・・・。」
「あと?」
「な・・・なんでもないでしっ!」
そう言うとルーシカはウェインから目をそらした
(あう〜ドキドキが止まらないでしよぅっ)
「変なやつだな、まぁ俺も逢いたかったし丁度良かったかもなっ」
「!?」
「俺もルーシカに逢いたかったよ、色々話したい事が有ったしな」
「は・・・はな・し?」
「調子はどうかなぁ?とか、上手く馴染んでるかなぁ?とかな」
「そ・・・そうでしか」
「あと・・・」
「あと?・・・なんでし?」
「い、いや・・・なんでもない・・・」
「なんでしかっ!気になるでしよ、言うでしっ!」
「お前も言わなかったじゃないか!」
「あう・・・・」
二人供うつむいたまま何も話せなかった
しばしの沈黙が流れた
ウェインが口を開いた
「じゃ、じゃあ一緒に言うか?」
「う、うん。じゃせーので一緒に言うでし」
「よし!じゃ言うぞ・・・せーのっ!」
「好きだった言いたかったんだ!」「ウェインちゃんと居るとドキドキが止まらないんでしっ!」
・・・
ルーシカは耳を疑った
(ウェインちゃん・・・今、好きって・・・)
「プッ・・・ククク、ハハハハハハハッ!」
ウェインが笑い出した
「な、何笑ってるでしかっ!」
ルーシカは紅くなっていた頬をふくらました
「嫌・・・クク・・・なるほどなっ!・・・そう来たかぁ・・ハハハッ!」
「何がおかしいでしかっ?だってだって、こんな風にドキドキしたのは初めて
なんでしよっ!ウェインちゃんのこと考えたりするとなるでしっ・・・シャロ
ちゃんは病気だって言ってたでし・・・」
「シャロめ・・・変な教え方したな・・・」
「[ こい ]って言う病気見たいでし・・・答えはウェインちゃんが
知ってるって言ってたでし・・・。何なんでしかこれはっ!?教えて欲しいでしっ!」
ルーシカは恥ずかしさとドキドキで潤んだ瞳をウェインに向けた
真っ直ぐに・・・
「クスッ、両思いって事だよ」
「両思いって何でしか?」
「さっきも言ったけど俺はルーシカの事が好きだよ、ルーシカはどうだい?」
「わ、わちしも・・・好きでし・・・」
「お互いが好き合ってるこれが両思いだよ」
「じゃ、じゃあこのドキドキはどうすれば止まるんでしか?胸がギュッて
なったりするのはどうすれば止ま・・・」
最後まで言う前にウェインはルーシカを抱き締めた
「ウェ、ウェイ・・・ちゃ・・・?」
「どう?止まった?」
「止まらないでし・・・それどころかもっと早くなったでし・・・でも」
「でも?」
「でも・・・何か・・・わちし、今すごく・・・嬉しいでし」
そう言うとルーシカもウェインに抱きついた
「ふにゃ〜暖かいでし・・・ゴロゴロ」
「これからもよろしくな・・・」
「うんでしっ♪・・・ねぇ?ウェインちゃん」
少し離れてルーシカは言った
「どうした?」
「・・・ん」
瞳を閉じ心持唇を上向けた
「な・・・」
その仕草にウェインも気づいた
瞳を閉じゆっくりと顔を近づける
「・・・・ん」
時間が過ぎるのが解らなくなる
ただ、ルーシカにあったのはウェインの唇の感触、ウェインの存在、嬉しさ
だけだった
唇が離れる
二人は瞳を開いた
ウェインは照れくさそうに頬を紅く染めて微笑んだ
「なるほど、これがプレゼントでしか・・・すごく嬉しい気分でし♪」
「プレゼント?」
「シャロちゃんが言ってたでし、[ 恋 ]の答えを教えてもらったら
目を閉じて少し上を向きなさいって、きっと素敵なプレゼントくれるわって
言ってたでし」
「・・・シャロォォォッ・・・。ま、いっか」
「嬉しいでし、有難うでし♪」
「どう致しまして、でももう言わなくていいぞ?恋人同士なんだから」
「恋人って言うのは何でしか?」
「同じ恋をしてる人って事だよ」
「パパとママみたいなものでしか?」
「そうだなぁ、いずれそうなるな」
「なるほどぉ、やっぱりウェインちゃんは物知りでしねぇ」
「アハハッ・・・そりゃどうも」
ルーシカはまたウェインに抱きついた
「ウェインちゃん」
「ん?」
「ウェインちゃん!」
「何?」
「ウェインちゃん♪」
「何だよ・・・?」
ルーシカは満面の笑みでウェインを見つめた
「好きでし、大好きでしっ♪」
「俺も好きだよルーシカ。」
そういうトウェインは照れくさそうにそっぽを向いた。

「さ、そろそろ帰ろうか?」
「え〜もう帰るでしか〜っ」
「そ、冷えてきたし、明日早いからな」
「シュン・・・明日からまたお仕事でしか・・・?」
「そうだなぁ、一つ仕事が出来ちゃったからなぁ」
「む〜大変なお仕事でしか?」
「大変て言えば大変だけどね」
「う〜どんなお仕事でしか?」
「ん?護衛かな」
「あ〜う〜」
「ルーシカって言う人を家まで送らないと行けないからさ」
「!?じ、じゃあ」
「仕事もあるけどそれ以外はずっとルーシカの傍に居るよ、だから今日は帰ろう」
「んふ♪わかったでし、帰るでし♪」
ルーシカはウェインの腕に抱きついて歩き出した
ルーシカはいつの間にか無くなっていた胸の高鳴りに気づいていなかった
ただ、嬉しさだけがルーシカの心を支配していた

*****終*****

はい、お疲れ様でした。
長い長いといいつつ思いっきり長くなりすぎて遂に分けたって感じですねw長すぎでそれでいて良くわからないかと思われますw。

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